素敵な遺産相続

映画『素敵な遺産相続(2017年公開)』を観た。アメリカ映画で監督はアンディ・テナントだった。過去の作品ではリース・ウィザースプーンの『メラニーは行く!』を観たことがある。シャーリー・マクレーンジェシカ・ラングなどベテランの名女優や『ゴースト』のデミ・ムーアも久しぶりに観ることができた。今回の作品も『メラニーは行く!』と同様にコメディタッチですごく観やすい作品で楽しめた。

ネタバレ注意です。

舞台はアメリカとスペインのカナリア地方だった。昨日観た映画でもリゾート地(南仏ニース)が出てきたけれどこのグラン・カナリアもすごく観光に良さそうだった。
主役であるシャーリー・マクレーンが演じたのは夫を亡くしたばかりの未亡人のエヴァだった。そしてジェシカ・ラングが演じたのは親友のマディだった。マディもまたエヴァとは違う形で夫とは別居している。エヴァが悲しみにくれる中、マディも持病があったりして少し似た環境で仲がいい。そんな中、エヴァ宛に保険会社から通知と小切手が届く。夫の生命保険の通知で契約内容は前から5万ドルと知っていたが小切手の金額はその100倍の500万ドルで驚く。間違いというのは明らかで最初は問い合わせをしようとするも上手くいかず気付かなかったことにして全額引き出して親友のマディとスペインのグラン・カナリアへ旅行に行き、今までしたことがないような贅沢や恋愛をする話だった。

スペインには行ったことがないけれどカナリアは映画を観る限り歴史的な名所があったり太陽がまぶしいほどきれいで興味を持った。特にカジノなどもあってエヴァのようにお金があれば遊ぶことには事欠かないと思った。ホテルに着くなりレイシー・チャンドラとういう老紳士に話しかけられ食事やカジノに誘われ、エヴァとマディは今まで忘れていた遊び心や恋愛感情を思い出して元気なっていく姿がかわいらしかった。リゾート地は心を解放させる力があると思った。基本的に保険金額が間違っているので保険調査員とかも出てきてその掛け合いもすごくおもしろい。ちなみにデミ・ムーアエヴァの娘役で母親を想う気持ちをおもしろおかしく演じている。久しぶりに演技を見たけれどかわいらしい。急に旅行に出かけたくなるような映画だと思う。

 

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スイミング・プール

映画『スイミング・プール(2004年公開)』を観た。フランス・イギリス合作映画で監督はフランソワ・オゾン。過去の作品では『8人の女たち』『危険なプロット』などたくさん有名な作品があるが私はこの作品が初めてだった。名優シャーロット・ランブリングや『ピーター・パン』のリディヴィーヌ・サニエが出演している。昨日読んだ小説が小説家の話だったので、小説家が主役の映画が観たくなって選んだ。

ネタバレ注意です。

舞台はロンドンと南フランス(ニース地方)だった。シャーロット・ランブリングが演じたのはロンドンで活躍する女流ミステリー作家のサラ・モートンだった。ベテランでお金には困っていないがスランプ気味で機嫌がすこぶる悪い。出版社の担当者のジャックに気分を変える為に自分の持つフランスの別荘に滞在することを薦められて行く話だった。
南仏といえば映画のロケ地によく使われるほどの景色が美しいリゾート地でこの作品でもすごく素敵なシーンが出てくる。ジャックの別荘も豪華で筆が進みそうな予感がするが、突然そこに聞いていない訪問者が表れる。ジャックの娘だという。それがサニエが演じるジュリーで年頃は10代後半から20代前半ぐらいでサラからみれば子供ぐらいの女の子でかわいいのだけれど、何というかよく言えば自由奔放、悪くいえば素行があまりよろしくない。騒音や家を散らかすぐらいまではいいのだけれど、日替わりで色んな男性を連れ込むことまであってサラが精神的に限界になってしまう。最初は見聞きするのも嫌だったけれど挑発的なジュリーに作家として興味を持つようになる。ジュリーには自分にないもの、若さや謎があってテーマにした時にすごくいい題材になると思ったのかもしれない。そこからジュリーから取材する為に距離を詰めるのだけれど、ある事件が起こってしまう。その事件現場がプールサイドなのでこのタイトルが付けられたのかも知れないけれど、最後までみると別の意味に思えてくるところが不思議だった。そして、サラがその別荘で『ドゥーウェルはキルトを着る』という作品を執筆中という設定だったけれどこの作品がどういう内容なのかははっきり描かれていない。そこを想像するとサラとジュリーの関係性が逆に見えてきてさらにおもしろい。

 

 

あなたの本当の人生は

大島真寿美さんの『あなたの本当の人生は(文春文庫)』を読んだ。大島真寿美さんの過去の作品では『チョコリエッタ』『ツタよ、ツタ』などあるようだが私はこの作品が初めてだった。この『あなたの本当の人生は』で直木賞の候補になっていたようだけれど、わたしはタイトルに一目惚れして読んでしまった。
長編小説でとくに細かい章には分かれておらず、数人の登場人物の心情などが入れ替わり立ち替わり描かれているので、区切りごとにこれは誰?と考えるのがおもしろくて珍しいなと思った。この書き方には大島さんのねらいがあるように感じた。高齢の有名作家の森和木ホリー、その編集を担当する鏡味、森和木ホリーの秘書の宇城、そして新人作家の國崎真実が主な登場人物だった。

ネタバレ注意です。

この作家の家に鏡味に森和木の弟子にならないかとスカウトされた國崎がやってくる話だった。仕事の内容は森和木の身の回りの世話をすることだった。
私はもちろん作家ではないので出版業界のことはよく分からない。作家さんによっては普段どのような生活をしているかエッセイのようなのものを書いている人とまったく生活そのものが分からないようなミステリアスな人がいるように思う。この作品に出てくる森和木ホリーはどちらかといえば前者で読者の為に私生活をエッセイという形で公開しているタイプだ。住み込みで働き始めた國崎は住んで数日でエッセイを秘書の宇城が書いていることを知り衝撃を受ける。私もエッセイが好きで推理作家の有栖川有栖さんのエッセイを読んで同じ阪神ファンだと知って感激した覚えがあるので、この小説のようなことがもしあるならファンはかなりショックを受けると思う。秘書なのでプライベートなことに詳しいので間違ったことは書いてはないような気がするけれど何だかちがう気もする。むしろ森和木と宇城はことにしてないような態度にショックをうけたのかもしれない。それがきっかけで家を飛び出してクビになるかと思いきやなぜか呼び戻される話だった。編集の鏡味が森和木の担当を30年以上に渡ってしている理由やさらに宇城が秘書になり、エッセイまでを書くようになった経緯も本人目線で描かれている。そこには『あなたの本当の人生は』というキーワードが存在している。そう聞かれても私は一つしかないとしか言えないなあと思ってしまった。

 

あなたの本当の人生は (文春文庫 お 73-1)

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ムーンライト

映画『ムーンライト(2017年公開)』を観た。アメリカ映画で『ラ・ラ・ランド』などの作品と共にアカデミー賞で競い『作品賞』に輝いた有名な作品だ。なかなか観る機会がなくてやっと観られた。監督はバリー・ジェンキンスで私はこの作品が初めてだった。米テレビドラマ『4400』のマハーシャラ・アリや『パイレーツ・オブ・カリビアン』のナオミ・ハリスなどが出演しているが他の俳優さんは初めて見る人ばかりだった。
舞台はマイアミとジョージア州アトランタだった。海外ドラマの見すぎかもしれないけれどマイアミと言えば犯罪が多い危険な街というイメージがある。この作品でもマイアミでも特に麻薬地域と呼ばれる所が出てくる。その近郊のスラムで育ったシャロンの少年期から成年期までを3つに区切り三人の俳優さんが一人を演じることにより心と体の変化を分かりやすく表現した映画だった。

ネタバレ注意です。

〈第1章・リトル〉ではアレックス・ビハード君が幼少期のシャロンを演じている。冒頭で原因がよく分からないイジメにあい同級生から逃げるために廃墟に逃げる。そこでマハーシャラ・アリが演じるフアンに出会う。事情があって誰にもこころが開けないシャロンが唯一頼った大人でフアンとその彼女のテレサには母親にも言えないことを言える関係になる。リトルというのは当時のシャロンのあだ名だ。
〈第2章・シャロン〉では高校生ぐらいまでシャロンが大きくなっているる。ここではアシュトン・サンダースがシャロンを演じている。ここでも相変わらずイジメは続いていた。この章ではイジメの原因は観客に分かるように描かれてはいるが、はっきり描くことで余計理不尽で意味のないものに見えてたまらない気持ちになった。環境が変わらないので嫌なことが毎日のように続きどんどんシャロンの居場所が失われていく。幼なじみのケヴィンは他の同級生とは違う対応なのでケヴィンの前だけは本当の自分でいられることに気づく。しかしケヴィンを巻き込んだ事件が発生しシャロンの周囲に変化が起こる。ちなみにシャロンをリトルではなくシャロンと呼ぶのは母親を除きフアンとテレサだった。
〈第3章・ブラック〉ではアトランタで一人暮らしをする成年になったシャロンをトレバンテ・ローズが演じている。今までのシャロンからは想像もつかない姿になっていてびっくりしてしまうかもしれない。そこに故郷から連絡がきて帰郷する話だった。連絡主は母親とケヴィンでこの二人もまた全然違った様子になっている。ブラックというのはケヴィンが付けたシャロンのあだ名だ。

私が作品中一番好きなキャラクターはフアンでシャロンもよく懐いていた。フアンが【選択】について触れるシーンが一番好きでこれがこの映画のテーマになっているように思った。以前観た映画『ラビング』でも同じようなことを感じたけれど、理不尽な差別を受ける環境があると必ず何らかの選択をせまられてしまい、本当の自分でいられない。『ムーンライト』とは時代も環境も同じではないけれど、それを思い出して何とも言えない気持ちになった。

 

ムーンライト(字幕版)
 

 

イロドリが美しいちらしとコラボカフェと漢字の歩み

ずっと気になっていたお店に行ってきた。
まず最初に行ったのは木屋町仏光寺通りにある『すし酒場 平島』。

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以前店の前を通ったときにランチメニューが目に入りかなり気になっていた。〈すし酒場〉というぐらいなので以前は夜のみの営業だったけれど、今年の三月からランチが食べられるようになったようだ。
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店内はカウンター席とテーブル席があって今回はテーブル席に案内してもらった。一段高いところにあって特別感があってよかった。窓からは高瀬川が見れて雰囲気がいい。
昼のメニューは土日祝限定【胡麻鯖と20品目野菜の花ちらし】【旬の握り寿司】の2種類とおまかせのコースとあったけれど、もともとちらし寿司に目がないので【胡麻鯖と20品目野菜の花ちらし】を注文してみた。

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せっかくなので生ビールも一緒に頼んだ。
ちらしには小鉢とお吸い物がつく。

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今日はホタルイカの醤油麹漬けだった。これが甘辛くてビールに合う。ホタルイカが実は苦手だったけれど麹が効いているのか食感がよくて初めておいしいと思った。
メインの花ちらしが出てきて驚いた。

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和風なものを想像していたので全然違った。ビールを頼んだけれどワインでも良かったなと思うおしゃれさ。旬な大き目の野菜がごはんが見えないほどのっている。それがすごくきれいで盛り方にセンスを感じた。さつまいもやカボチャ、じゃがいもがのったお寿司は初めてだったけれどごまだれの味付けと酢めしと他の野菜がよくあっていてすごく美味しかった。胡麻鯖も洋風な味に感じられてカルパッチョみたいな上品な味なのに酢めしに合う絶妙な味だった。

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お吸い物は赤出汁だった。

全部美味しくて満足した。

ちょっと喉をうるわせる為に、祇園四条にある『京 カフェコムサ』に行った。

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お茶で有名な【祇園辻利】と【カフェコムサ】がコラボしたお店で工事中からちょっと気になっていた。もともと【カフェコムサ】のケーキが好きで京都駅にあった時から特別な日にテイクアウトしたりしていた。それが京都駅のリニューアルでもとあった場所が【鶴屋吉信IRODORI】に変わってしまってちょっと心配していたら祇園にこんなすごい形で戻ってきてくれてうれしかった。

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ビルの一階はお土産屋さんで奥まで進むと急に雰囲気が変わっていて入る前からドキドキしてしまった。
階段を登るとそこには想像していなかった空間が広がっていた。

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【カフェコムサ】らしい無機質な空間に中庭や個室のような京都風な席もあったりしてガラスケースの中のケーキをのぞくタイミングでお店を色んな角度から見て建築自体を楽しめるようになっていた。

ケーキは種類がたくさんあって見ればみるほど悩んでしまったけれど、日本いちじく『蓬莱柿(ほうらいし)』を使った『蓬莱柿のチーズムースケーキ』を注文することにした。

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そして飲み物はコラボ感を味わいたかったので辻利の宇治ほうじ茶「古都かをり」にした。
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お茶にはお菓子がついていて気遣いがうれしい。お湯足しも自由なので私は3回も足してしまった。家でほうじ茶を飲む時は一保堂のくきほうじ茶をよくもらうので飲んでいたけれど、辻利のほうじ茶もかおりが香ばしくてファンになった。
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そしてケーキには五重塔が粉砂糖で装飾されていて感激した。

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友人のほうには舞妓さんが描かれていて見比べるのも楽しかった。

いちじくがふんだんに入っていてチーズムースはレアチーズがもっとふわふわになった感じで甘さ控えめだったのでいくらでもたべられそうな味だった。
数量限定でランチメニューもあったりするのでまた来たいなと思った。

せっかく祇園にきたのでカフェ近くにある『漢字ミュージアム』も覗いて帰ることにした。出来てからかなりたつのだけれど、有料(800円)なので入ったことがなかった。
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現在は【漢字の歩み展】を開催中だけれど、中でも【今年の漢字】の展示が気になった。年末に清水寺で発表される漢字一文字で一年の世相を表現する行事で描かれた文字の1995年以降のもの全部が展示されていた。

最新2016年の漢字は『金』だった。

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他にもいろいろあって『愛』や『絆』、『新』などポジティブなイメージのものもあれば『偽』『毒』『震』などネガティブなイメージのものもあってその時代時代何があったか思い出した。同じ漢字が選ばれることもあって一番回数出てきたのが『金』だった。2000年、2012年、2016年が『金』だったのだけど、毎回同じ方が書く(清水寺森清範貫主)のだけれど驚くほど違う字に見えるのが不思議だった。2016年はほとんど『愛』に見えるし他の年もぜんぜんちがうので見比べてみるのもおもしろいと思う。

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描く時の心が字に表れたり、『金』にも色んな意味があるから筆跡に影響するのだろうか。
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ちなみに自分がいいなと思った漢字は『愛』だったので好きなものに見えてしまったのかもしれない。

お蔵入りグランプリ受賞作品

映画『トマトのしずく(2017年公開)』を観た。監督は榊英雄さんで過去の作品では『ぼくのおばあちゃん』『誘拐ラプソディ』などがあるが私はこの作品が初めてだった。俳優としてもご活躍されているのでそれらの作品は拝見したことがあると思う。出演は小西真奈美さん、吉沢悠さん石橋蓮司さん、原日出子さん、ベンガルさんなどざっと観ても有名俳優さんが揃っている。製作年は2012年で2017年まで公開されていなかったようで、『お蔵出し映画祭2015』でグランプリと観客賞を受賞して公開された経緯があるようだ。まずこのような映画祭があること自体知らなかったのですごく興味深かった。公開されない作品でもたくさんいい作品があるのでこういう機会はたくさんあったほうがいいと思う。私も観れてよかったと思う。

ネタバレ注意です。

舞台は東京都内と鋸南町(だと思う)だった。小西真奈美さんが演じたのは美容室経営の美容師のさくらという役だった。同じ職場の真と入籍したばかりで結婚式を控えている。その真を演じているのが吉沢悠さんでやさしくて理想の夫の役だった。さくらの義母を原日出子さんが演じていてこれがまた理解のある義母でさくらが少々自分勝手なことを言っても結婚に反対したりしない。さくらの自分勝手なところというのは自分の実の父親を夫やその家族に一度も紹介していないところだ。紹介もないまま入籍というのもなかなかめずらしい。紹介しない理由も秘密だ。もちろん結婚式にも席を用意しない予定だった。普通はそこで怪しんでねほりはほり聞きケンカの一つでもするのが本当の夫婦だと思うのだけれど、小西さんが演じるさくらは持ち前の柴犬の子犬のような見た目のかわいらしさとかわいいキャラで押し切りわがままを押し通す。その嫌われている父親の辰夫を石橋蓮司さんが演じている。観客として見ると全然嫌われる理由が分からなかった。さくらは田舎から出てきて東京で成功している設定なので、辰夫がさくらに秘密で東京に出てくるシーンでは石橋さんが都会的で洗練されていて絶対に田舎の人に見えないところがちょっと笑ってしまった。もちろん石橋蓮司さんの演技は大好きなのだけれど。あと挿入歌を榊いずみさんというアーティストが歌っていて榊いずみさんが橘いずみさんと同一人物(榊英雄さんと結婚して姓が変わっていた)ということを知ってすごく懐かしかった。初めて代表作『失格』を聴いたときは鳥肌が立ったの思い出した。音楽などこだわっているところがたくさんあるのでやっぱり公開になって良かった作品だと思う。

 

トマトのしずく [DVD]

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雨の日は会えない、晴れの日は君を想う

映画『雨の日は会えない、晴れの日は君を想う(2017年公開)』を観た。アメリカの映画で監督はジャン・マルク・バレで過去の作品では『ダラス・バイヤーズクラブ』や『わたしに会うまでの1600キロ』などがあるが私は初めてだった。『ブローク・バックマウンテン』のジェイク・ギレンホールが主演し他にもナオミ・ワッツなどが実力派の俳優さんが出ている。特に気になったのは子役のジュダ・ルイスくんでちょっとアウトローな役を独特の雰囲気で演じていてすごく良かった。レオンのマチルダを演じたナタリー・ポートマンのようなただものではない感じがした。

ネタバレ注意です。

舞台はアメリカ・NY(とNY郊外だと思う)、ジェイク・ギレンホールが演じたのは金融業界で働くエリートサラリーマンのディビスだった。妻がいて妻のコネで現在の会社に入社していいポジションに就いている。ある日、ディビスは突然妻を失ってしまう。私は突然、身内を失ったことがないので自分がどうなってしまうか想像がつかない。ディビスはあまりに突然で泣きわめくようなことができず、自分に対して疑問を持ってしまう。亡くなった後も普通に食欲が沸き、職場にも行ってしまう。お葬式の日でもトイレで泣きそうになるが人目があるとふと冷静になってしまう自分がいる。果たして妻を本当に愛していたのか分からなくなって大きく動揺してしまう。身近な人にも相談できず、あたりどころがなくてはたからみればお門違いのところに自分の気持ちを素直に書いた手紙を出す。その宛先が妻が亡くなった直後にお金を入れたチョコレート自動販売機(チョコレートが出てこなくて苦情は自販機の会社に直接にしてと言われる)の会社の顧客係で最初は苦情だけのつもりだったが妻が亡くなったことやその後の自分の生活を書いて出してしまう。返事は期待しておらずただはきだしたいだけだったが、少しして自宅に自販機会社の苦情係のカレンと名乗る女性から電話がかかってくる。しかも午前2時ぐらいに。手紙の内容に涙してしまい心配になったという。最初はお互い会わないつもりだったが、ジェイクは気になって仕方がなくなりカレンを探して回るようになる。

大人のピュアな恋愛のような場面が満載なのだけれど、実は推理物の映画で謎めいた箇所がいくつか出てくるところがこの作品のおもしろいところだ。妻が亡くなったことでジェイクは気付かなかったことに気付き始め、周囲にある電化製品、他人の荷物、など分解して中身を見たい衝動に駆られてどうしようもなくなる。ついには自宅(おしゃれで豪華)まで分解したくなる。そこで今まで知らなかった妻の本当の姿が見えてくる。実はこの映画の影の主役は妻なのだと考えるとすごく違う見え方をする映画だと思う。邦題の『雨の日は会えない、晴れの日は君を想う』(原題はDemolition)というタイトルの付け方がすごく好きでこの意味も全部観ないと分からないようになっていて大切な作品だというこだわりを感じる。