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知らなかった

最近全然本を読めてなかったので、佐野洋子さんの『死ぬ気まんまん』を読んだ。なぜ、こんな怖いタイトルの本を選んだかというと、健康診断を受けたばかりだからだ。自分はすごくこわがりなので、検診が終わってなんか気が抜けて選んでしまった。
佐野洋子さんの作品では、絵本『100万回生きたねこ』『おじさんのかさ』『わたしのぼうし』などあるが、これはエッセイだ。

ネタバレ注意です。

内容は第1章「死ぬ気まんまん」ではがんが再発し余命2年と言われたが、途中で病状が改善し、あと10年から15年ぐらいに延びたことや友人とのこころあたたまるエピソードが書かれてある。

第2章では佐野さんと平井達夫さん(築地神経科クリニック理事長)の病気と共に生きることとはというテーマでの対談。

第3章の「知らなかったー黄金の谷のホスピスで考えたことー」では、体調不良で療養と人間ドックの為に入院先を決めた病院が実はホスピスだったといような内容だった。自分とは違う理由で入院している患者とのやりとりが主に書かれてあった。その中でも印象的だったのは、佐野さんと病院内で仲よくなった卵のような人と表現されている人は先生と呼ぶ人がいて特別に悩みがあると「ザ」を持ってくれるというような独特の世界感の持ち主で、佐野さんは「まったく宗教心がないので、その先生はグルの一種なのか神父や牧師のようなものなのか全くわからない」と書いてあったが、私はその「ザ」の方が気になった。何なんだろう。
その他、もとはカタギの仕事ではなさそうな男性は生命力が強そうできっと元の生活に戻れそうと思っていたら、案の定退院していたとか、とにかく色んな人とのふれあって思ったことがこと細かく書かれてある。

テーマは生と死で重い内容だが、佐野さんが自由でいい意味でわがままでおられるので全然暗さはない。自分らしく人生をまっとうするのはどういうことなのかちょっと考えてしまう作品だ。

 

死ぬ気まんまん (光文社文庫)

死ぬ気まんまん (光文社文庫)