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最近観たイギリス映画

先日、映画『ミス・シェパードをお手本に』を観てきた。
まず、このタイトルの『お手本に』がどういうお手本になるのか期待して観たのだが、絶対にお手本にしてはいけない『お手本』だった。

主演はハリーポッターシリーズで有名なマギー・スミス。作品としては、『ゴールデン・グローブ賞』、『英国アカデミー賞』にノミネートされいる作品だけれども、映画好きな自分でもたまに合わない作品があるのだが、これがまさにそのような作品だった。気持ちが落ちてしまった。

ネタバレ注意です。
マギー・スミスは名女優らしい(残念ながら私は『ハリー・ポッター』でしか知りません)が、その名女優が車上生活を続けるミステリアスな老婆の役を演じている。これは、原作者で劇作家のアラン・べネットの実話をほぼ実話に描いている作品だ。

べネットがロンドン北部のカムデン・タウンに引っ越すとマギー・スミス演じるミス・シェパードが古い黄色の車で路上で生活しているのに気づく。カムデン・タウンはヴィクトリアン様式の家が立ち並び、べネットのように芸能界で働く人も住む閑静な住宅街だ。そして、人によっては家の前に駐車されることを嫌がる人もいるのだが、露骨に嫌がってはいけないと思い、食べ物など差し入れる。だが、ミス・シェパードは誇り高きレディの様子を伺わせて、施しに対して悪態をつく。そして、小さなトラブルを起こしてはグロスター・クレセント通りのまた次の家の前で車を停める。ついにべネットの家の前にやってくるのだが、そしてこともあろうか、通りではなく家の横のスペースに車を駐車するのはどうかととんでもない提案をしてくる。近所の人が「ミス・シェパードは住み着くつもりだ・・・」と心配する様子はちょっと笑ってしまった。べネットは家族でもないのに家に介護のことで福祉局の人が訪ねてきたり、スペースを汚されたりしてかなり迷惑している気持ちとミス・シェパードがなぜこのような生活をするようになったのか謎を解きたい気持ちにゆれる。その様子をアラン・べネット演じるアレックス・ジェニングスが一人二役で挑むことで表現している。ここは監督のニコラス・ハイトナーの腕を感じた。

作品の最後でミス・シェパードの本名やどうしてこのような生活をするようになり、淑女のような態度をとるのか分かってくる。若き日のミス・シェパードをピアニストのクレア・ハモンドが演じ、BBCコンサートオーケストラと共に収録したショパンのピアノコンチェルト第1番が作品中流れる。クラシックが好きな人にはオススメかもしれない。