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映画『愚行録』

先日、映画『愚行録』を観てきた。出演は妻夫木聡さん、満島ひかりさん、小出恵介さんなど人気のある俳優さんばかりだった。衝撃的な内容だったので、貫井徳郎さんの原作も読んでみた。大体は原作通りだったけれど、改めて文字で読むと怖さが増した。

ネタバレ注意です。

内容は、妻夫木さん演じる記者である田中武が未解決事件の被害者の関係者を取材をする形式で話が進行する。推理物なのだけれど、怖さは事件ではなく人間関係にあった。夏原由季恵の大学時代のエピソードが怖かった。
由季恵は都内の有名私立大出身(原作では慶応大)で美人で取り巻きができるほど華やかな存在だったとみんなが語る。その大学はエスカレーター制の学校で内部生と外部生が存在し扱いが違うという設定だった。内部生が相手にするのは出身校、見た目、親の仕事が見劣りしない外部生だけで、はっきりとした格差ではなく階級があるという怖い話だった。

取り巻きの子は授業の代返に使われたりとにかく利用される。基本的にその人と肩を並べたり、超えることはゆるされない。なんらかの方法で潰される。という理解不能な話だった。

自分は幸せなことにあまりそういう環境にいたことがない。大学も100%外部生で優劣をつけられたことはないし、華やかであることがまったく必要のない環境だった。自分のキャラのせいかサークルの勧誘も、ガチなテニス部、バスケ部、ロック研究会、東洋哲学という名のキックボクシング部しかお声がかからなかった。でも結局、勧誘されてない部に自分の意思で入部して4年間楽しかったのでそれでよかったと思っている。

話がそれてしまったけれど、この『愚行録』で他人を本音で皆が語り、誰もが過去の階級や不自由さを口にして、幸せそうじゃないのが、ただただ悲しかった。学生時代なんて一番自由で楽しめるはずなのにと思う。