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64ロクヨン

先日、日本アカデミー賞を見たので、佐藤浩市さんが主演男優賞を取られた映画『64ロクヨン』の前編/後編がすごく気になって観た。
原作は横山秀夫さんの同名の推理小説だ。また機会があれば原作も読みたい。

出演者は豪華だった。主演の三上を佐藤浩市さん、三上の部下である諏訪を綾野剛さん、美雲を榮倉奈々さんが演じている。他、窪田正孝さん、坂口健太郎さん、瑛太さんなど脇を固める人も主役ができる実力派の俳優さんばかりで驚いた。
去年、大阪シネマフェスティバルで司会の浜村淳さんが別の作品で受賞された佐藤浩市さんに「公開前の『64ロクヨン』を試写会で観ました。すごいよかったです。絶対この作品でも受賞しますね!」と予告のような告知のようなことをおっしゃっていたのを思い出した。それぐらいおもしろかった。

ネタバレ注意です。

内容は7日間しかなかった昭和64年に群馬県で発生した未解決の少女誘拐殺人事件を基に話が展開していくが、実は警察内部の隠蔽体質や複雑な組織の関係性を細かく再現していてそこが見所だ。

佐藤さん演じる三上は県警の広報官だが以前は刑事部勤務だった。広報官はマスコミ対応が主な仕事であるが、県警本部と記者クラブとの間でいつも板挟みになる。隠蔽体質を嫌悪しながらも職務を全うしなければならない。瑛太さんや坂口健太郎さんが記者を演じていて、広報課との情報をめぐってぶつかるシーンが危機せまる感じでかっこいい。榮倉奈々さん演じる美雲が記者クラブとの関係をよくする為に交流会に参加し、尊敬する三上に注意されて「自分も広報の一員だ。外に向かって警察の窓を開きたいと思って仕事をしている。」というシーンは本当にしびれた。

ある日、警察庁長官の視察が決まる。作品の骨子である時効寸前14年前の事件(ロクヨン)の視察をするためだ。なぜかその段取りを広報が一任されて違和感を感じる。なぜ事件に関わる捜査一課専従班がノータッチなのか聞いても誰も教えてくれない。それどころか本部長から被害者家族の訪問に土下座でもなんでもして約束をとりつけろと言われる。そして、被害者家族である雨宮芳男が警察を憎んでいる態度や元同僚で事件に関わった人物を訪ねて『幸田メモを探しているのか?』と聞かれ、初めて何か重大な隠し事があることに気づく。そして幸田とは事件のあとすぐ辞め現在警備員をしている元ロクヨン自宅班の幸田一樹ではないかとスーパーに訪ねると、なぜか専従の柿沼が見張りをしていたり(聞くところによると14年間)、元科捜研でロクヨンに関わった日吉が仕事をやめ14年間ひきこもりになっていることから隠蔽していることがあると確信する。

そして、犯人からの電話の通話の録音ミスがありそれを班長が隠すことを決め、「女児になにかあれば全部オマエのせいだ」と日吉に罪をなすりつけるような発言があったことが分かるのだ。
それだけでも怖いのだけど、警察庁長官の視察に刑事部が関わらないのは本部長のポストが県警出身からキャリアに奪われるから協力しないし、なんだったらその機会を無くすために足を引っ張りたいと思っていることを明かされる。ドロドロしたものが男らしい世界に広がって怖い。

後編はロクヨンの模倣と思われる事件が発生するところから始まる。その事件を追いかけることで14年前のロクヨンの犯人を追い詰めていくことになる。この緊張感がたまらない。
事件を通して、家族の大切さや組織間の複雑さが見えてくる。もう一度観たらまた違う見方ができるかも知れない。すっかりはまってしまった。

 

 

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