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ちはやふる 上の句/下の句

日本アカデミー賞を引きずっていて、広瀬すずさんが主演女優賞でノミネートされた映画『ちはやふる 上の句/下の句』を観た。原作は末次由紀さんの同名のコミックで、原作の大ファンなのでちょっと観るのが怖かった。原作とちょっと違うと思ったけれど、映画の作品としては楽しめた。
出演は主人公の綾瀬千早を広瀬すずさん、真島太一を野村周平さん、綿谷新を真剣佑さんが演じていた。イメージ通りと思ったのは大江奏役の上白石萌音さんで演技もさわやかだった。
幼なじみの千早、新、太一が競技かるたを通し、沢山の人々と出会い成長していく話だけれど、三人の恋愛も絡んだりして女性も男性も楽しめる話だ。

ネタバレ注意です。

『上の句』では千早が高校でかるた部を作り、5人で全国大会を目指すべく努力する。部員をスカウトするところがおもしろかった。特に大江奏はかるたそのものが好きで競技としてしか札を読んだことがない千早に札の意味をよく教える。そこを見るのが原作でも楽しみで読んでいた。特にみんなが千早の札だと思っていて千早が一番好きな札の「千早振る 神代もきかず竜田川 から紅に 水くくるとは」の意味を教えてくれるところが映画の中でも出てくる。千早は見たままの風景の意味した和歌だと説明する。奏は「これは激しい恋の歌だ。ちはやぶるは神の枕詞で勢いの激しいこと。水をくぐる紅葉の紅色は離れていても秘めずにいられない恋ごころだ。」と解く。この下りが好きでいつも感動する。

『下の句』は福井で離れて暮らす新がもうかるたはやっていなくて、千早はひどくショックを受けるところから始まる。そして新にかるたの楽しさを分かってほしくて、全国大会の団体戦個人戦両方にエントリーすることに決める。
千早と太一の幼い頃からのかるたの恩師である府中白波会の原田先生を國村準さんが演じているのだけれど渋くてかっこいい。もともと原作でも名台詞が多くて本当に勉強になる。特に好きなのは「個人戦は実は団体戦団体戦個人戦だ。」という言葉だ。いつもチームだ、みんな気持ちは一つだよということをかっこよく表現していて勝負の世界は深いなあと思ってしまう。

そして、千早は電話に出ない新に熱心に留守電のメッセージ(23件)を入れ、何とか競技会場に呼び「絶対に一人になってはいけない」と体を張って競技で自分の気持ちを伝える場面は見応えがある。そして競技場である近江神宮松岡茉優さん演じる若宮詩暢と出会う。原作もいいけれど、競技するところはやっぱり実写が面白くて臨場感がある。原作、映画両方見比べるのがオススメだ。