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ルビー・スパークス

先日観た恋愛映画が少し明るさに欠けていたので、気分を変える為に『ルビー・スパークス(2012公開)』を観た。夢があるラブコメディだ。出演者はあまり知らない俳優さんが多かった。唯一知っているのは、アントニオ・バンデラス(主人公の義父役)だけだった。でも主役のカルヴィンを演じたポール・ダノとルビーを演じたゾーイ・カザンのファンになってしまった。すごく爽やかで華やかさがあって何よりかわいかった。

ネタバレ注意です。

話は少しSFだ。主役のカルヴィンは若手の天才作家で最初に書いた作品『夕食の為の朝食』がベストセラーになり天才と呼ばれ過ぎて次の作品が書けない。不安定になりカウンセリングに行くほどだ。そこでカウセリングの先生に宿題を出される。「好きな人を書く」という宿題だ。

ある日夢を見る。人見知りの解消の為に飼い始めた犬のスコッティの散歩中にルビーと名乗る画家の女の子が現れる。スコッティがオスなのにメスのようにオシッコをするをするところをカルヴィンはちょっと恥ずかしいと思っているのだけれど、それを「ありのままのスコッティが好き」と言われる。そしてその子に夢の中で恋をする。すると今まで書けなかった文章がルビーを主役にすらすらと浮かんでくる。例えば、「ルビーはオハイオ州デイトン出身でいつも弱者を応援する複雑な性格で日常的なことが苦手で請求書の開封を忘れる。そして変化があることを感じている。新しい何かを探している。」と想像する。文章を書いていると一緒にいられるような気がして気分が高揚して楽しくなっていく。

ある日、ルビーを主役におうちデートをしている様子を書いて、朝目覚めるといるはずのないルビーが家で料理をしている、という夢のある話なのだけれど、カルヴィンはこうありたいと理想を文章にするとその通りになり、それではつまらないと思い「彼女は彼女のままで」と描くと諍いがおこり関係性に悩む姿をコミカルに時にシリアスな感じで表現していてとてもおもしろかった。
草食なカルヴィンを全力で応援したくなるような作品だ。