ハロルドが笑うその日まで

北欧の映画が好きなので、映画『ハロルドが笑うその日まで(2016公開)』を観た。ノルウェーの映画だ。まず、脚本がすごく斬新でおもしろいと思った。有名大型家具店IKEAが出てくる。

ネタバレ注意です。
主人公のハロルドはノルウェーのオサネの町一番の家具屋だった(ルンデ家具店)のだが、すぐ隣に北欧最大級のIKEAオサネ店がオープンするところから話は始まる。

高級を売りに、地域の名士の家や学校、老人ホームに家具を卸してきた実績があると自負していたが、あっという間に自分の店が潰れる。それまで痴呆症の妻を自分が世話してきたが、精神的にそれができなくなり老人ホームに入居させる。すると入居すぐに妻が亡くなってしまい、ハロルドはすべてを無くしたのはIKEAのせいのような気がして町にあふれるIKEAを見るたびに怒りがこみあげてくる。

ここまで、聞くと何か悲壮感でいっぱいの話に聞こえるのだけど、妻が亡くなる直前に発した言葉が「あほんだら(ハロルドに対して)」「あばずれ(娘に対して)」だったりして、他にもこんな場面が沢山あるけれど、笑ったらダメだと思う場面で必ず笑ってしまう。
その後、離れて暮らす息子に母親が亡くなったこととIKEAの創始者カンプラートの誘拐計画を知らせにいくのだけれど、ちゃかされて自暴自棄になりスウェーデンに一人向かう。そこで、エバという女の子と偶然出会い母親とも面識ができる。誘拐を実行しようとするのだけれど、誘拐に使う道具(ガムテープ、防寒用プチプチ)を結局大嫌いなIKEAで購入し、あげく間違った家に進入したりして間抜けさが突き抜けていて笑いを誘う。半ば、誘拐を諦めかけたその時、雪で車が立ち往生しヒッチハイクしようとしていたカンプラートを親切に同乗させてしまい状況に焦って、誘拐に手こずる。
カンプラートはカンプラートで大物感がすごくて誘拐されてもぜんぜん動揺せず、ハロルドの方が振り回されるのだけれど、それがかわいい。

作品の後半でカンプラートとハロルドが同じ家具店の創始者として話をする場面がある。とにかく高級にこだわりIKEAの商品をけなすハロルドに「うちのイスは壊れやすいかも知れないが座る方に価値があると思っている。壊れるころには新しいものが出てるよ。」とさりげなく言うのだ。それから、ハロルドは考え方が変わって行く。ハロルドのことを新聞で読み何者か分かったうえで「ショーベルグ」と最後まで別の名前で呼んだり、IKEAの店の中に招待してお粥を振る舞おうとするカンプラートが優しくてほっこりする。

この作品はIKEAの家具がたくさん出てくる上、カンプラートが朝までIKEAショールームのベットで寝るシーンなんかは一度はやってみたいと思ったことがあるので個人的にたまらない気持ちになった。カジュアルなインテリア好きにオススメな作品だと思う。

 

ハロルドが笑う その日まで [DVD]

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