ハッピーエンドの選び方

映画『ハッピーエンドの選び方(2015公開)』を観た。イスラエルの映画だ。イスラエルの映画を観たのは初めてかも知れない。ベネチア国際映画祭で観客賞を受賞した作品だが、こんなに泣いて笑ってをひたすら繰り返す映画は珍しい。
なぜ泣き笑いをするかというと、『安楽死』をテーマにしながらも登場人物が何とも魅力的で明るいので悲しいところも絶対悲しいだけで終わらせないように気の利いたセリフでカバーしていて観客を暗い気持ちにさせないところが新しいと感じたからだ。

ネタバレ注意です。

舞台は老人ホームだ。主役のヨヘスケルは薬の飲み忘れをなくすようなマシーンなどちょとした物を発明するのが趣味の老人でいつも周囲に気を配るような優しい人だ。そして一緒に入居している妻のレバーナととても仲がいい。レバーナを演じるのは役と同じ名前のレバーナ・フィンケルシュタインさんという俳優さんで60才ぐらい?に見えたけれど、とてもきれいで味のある演技をしていた。

ある日、ヨヘスケルの同じ老人ホームに住む親友のマックスの妻のヤナが夫が重病でもう余命が短かく苦しむ姿に悩んでいることを知る。イスラエルでは安楽死が法律で認められていないからだ。そして同じホームに住むダニエルが安楽死用の薬を持っていることを知り協力を頼む。そしてヨヘスケルが発明した安楽死装置で実行することになる。犯罪になるので、レバーナが激しく反対したりして作品の前半はもめる。

一方でレバーナは初期の認知症で少しずつ自分を無くしていくことに悩んでいる。それを家族や友人が励ます場面があって(夜の温室での場面)、このシーンが一番好きだと思った。そこで理由があって施設長に注意されるのだけど、レバーナが施設長に「体は老いているけれど心は純粋で子供のままなの。自分のためにしたことだから叱らないで欲しい。」と言うところで泣き笑いしてしまった。作品全般にこんな感じで自分の感情がころころと変化する不思議な気持ちになった。どういうことがハッピーエンドなのか考えてしまうかも知れない。

 

ハッピーエンドの選び方 [DVD]

ハッピーエンドの選び方 [DVD]