読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

神様メール

映画『神様メール(2015公開)』を観た。ベルギー・フランス・ルクセンブルグの共同制作の映画だった。フランス映画をよく観るので何人か知った俳優さんが出演していた。一番有名なのはカトリーヌ・ドヌーブかなと思うのだけど女神を演じたヨランド・モローは『アメリ』の監督ジャンピエール・ジュネの作品の常連なのですぐ分かると思う。主役のエアを演じた子役ピリ・グロワーヌの演技がすごかったので注目だ。

ネタバレ注意です。

ストーリーはとにかく奇想天外だ。発想が新しい。天国が実は地獄のような環境で何もなく、神がひどい性格だったら?というところから始まる。作品の中で、神には家族あって、神(父)、女神(母)、エア(娘)、JC(兄)という家族構成だ。そして父親の暴力で家族は心も体も拘束され自由がない。とにかく神は絶対なのだ。

ある日、エアは下界の不幸は全て父親が考えた「普遍的な不快の法則」のせいだと気づいて、父親を注意すると案の定エアはひどい暴力をうけ、母親もいつも言葉の暴力を受けているため娘を守ることができない。ついにエアに限界がくる。10年もの間監禁状態だった家を出る決心をする。兄のJCに相談して、まず父親以上のことをやり遂げてそれが終われば消えようと決める。天国から脱出するのだけれど、その方法が絵本のようにかわいい。

作品は6人の使徒を探し福音書を記しながらストーリーが展開する。オーレリー、ジャン・クロード、性的妄想者、殺し屋、マルティーヌ、ウィリーに会って話を聞き、『新・新約聖書』を書き上げるためだ。
下界に来て初めて出会った優しいヴィクトールと共にエアが初めて自分の意志で行動し成長していく様に感動する。
映像は絵画のように美しく、エアは心の音楽を知ることができる力があり一人一人に設定された挿入歌も上品で素敵なので注目だ(ヘンデル、ラモー『鳥のさえずり』、パーセル『孤独』、シューベルト『死と乙女』、Cトレネ『ラ・メール』など)。

10才の女の子が主役だけれど、テーマが重くダークな世界を描いているので大人向けの作品かも知れないが、笑えるところが満載で楽しめる作品だ。