読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

久しぶりに読んだ推理小説

小説『麗しのオルタンス』(創元推理文庫)を読んだ。こんなに頭を使って読んだのは久しぶりかもしれない。作者のジャック・ルーボは数学者とあって今まで読んだ推理物と少しテイストが違うと感じた。登場人物がとにかく多くて頭を整理するのが大変だった(アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』のように登場人物が多いけれど、この作品ではいなくなる人はそんなにいません)。

ネタバレ注意です。

街の金物屋をねらう連続事件を追いながらストーリーが展開していく。ブロニャール警部とその部下のアラペートそしてジャーナリストのモルナシエールが協力して犯人の足どりを掴んでいく。この金物屋を襲う事件の内容が思いの外、あまり大した事件でない。夜中の0時に金属の鍋が床に落ちて驚かせるという事件だ。1年ほど続いていて、ララム・ベラン夫妻の店で36回目という設定だった。ブロニャール警部はある規則性を発見し今回の事件を予測していた。(螺旋状にシトワイヤン通り53番地のブロニャール警部の住むアパルトマンに向かっていた。)

この作品でメインとなるのは金物屋の事件だけれど、実はあと4つ事件が隠れている。
1 タイトルになっている、『オルタンス』は哲学専攻の女子大生だ。裕福な家に生まれているが、グロワッシャン夫妻の店でバイトをしている。見た目のせい(とにかく薄着)で男性客が増える。そして色んな男性とつき合うがすぐ離れていくことに悩んでいる。ある日、バス停でモルガンと名乗る男性に「右目が美しい」とほめられ恋をする。偶然図書館で再会して付き合い始めるがそれによって事件に巻き込まれる。
2 ボルデヴィア公国の第一皇位承継者が失踪していてカトリック重鎮が探しに近くの教会に来ている。
3 金物屋の事件から3ヶ月ぐらいあとに洗濯屋が襲われる事件(ぞっとするほど汚れたズボンを完璧かつ即刻洗濯せよと要求、拒むとケンカを売られる)が起こり、近くのバス停で厚着の美しい女子学生キャロルが「左目が美しい」と声をかけられる。
4 アレクサンドル・ウラデミロヴィッチという雄猫が登場し事件の謎に気づいたりするのだけれど雌猫のチューチャがウラデミロヴィッチに恋をすることによってある仕事から離れることになる。
というような内容だ。

登場人物が多いので、作者と共に犯人を絞って行くのが面白いと思う。
頭の体操になるのでオススメだ。

 

麗しのオルタンス (創元推理文庫)

麗しのオルタンス (創元推理文庫)