リザとキツネと恋する死者たち

映画『リザとキツネと恋する死者たち(2016公開)』を観た。ハンガリー映画だ。恋愛映画だと思って観るとちょっと裏切られるかもしれない。ブラックユーモアが利いていてパンチ力があるので注意が必要だ。

ネタバレ注意です。

舞台は1970年代のブダペストで、その街のあるマンションと近くのハンバーガー店(メックバーガー)ぐらいしか出てこない。リザはそこの蟹バーガーが大好きなのでよくそこにいる。
主演のリザ役のモーニカ・バルシャイさんのコミカルな演技が光る。リザは無類の日本好きの看護師という役どころだった。昔の映画でありがちなこれは日本文化の勘違いだと思われるシーンが満載でちょっと笑えるかも知れない。まずリザが大好きな『トミー谷』という歌手がおかしな歌謡曲を歌う。

トミー谷役のディヴィット・サクライさんが魅力的なんだけれど日本語がたどたどしくて聞き取りにくい。聞き取りにくいから余計耳を傾ける不思議な曲に仕上がっている。ちなみに『トミー谷』はリザの妄想の友人だ。作品中ではDOKI DOKI/ dance dance have a good time/out she comes up she goes/leven polkka/forever など映画の為に作られた名曲揃いだ。

さて話の内容はというと、死人がとにかくたくさん出る。
1マルタ 2カーロイ 3ゾルタン 4ルドヴィグ 5フェリー 6ジョバンニ 7煙突掃除人 8ヘンリクというように次々と死人が出ることでストーリーが進行していって、恋愛映画では?と途中心配になるかもしれないが、リザが恋愛をしようと努力するところが同時に描かれているので大丈夫だ。

リザが憧れている架空のファッション誌『cosmopolitan』にまねておしゃれをする場面はかわいかった。映像もカラフルで独特で、個性が強すぎる作品だけれど日本びいきなのも伝わってきておもしろかった。新しいジャンルの映画を見つけた気がする。