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結婚観を繊細に描いた映画

映画『さざなみ(2016公開)』を観た。イギリス映画だ。主演は『愛の嵐』のシャーロット・ランプリングでこの作品でベルリン国際映画銀熊賞を受賞している。その他『長距離ランナーの孤独』『モネ・ゲーム』などに出演しているトム・コートネイが出演していてこの二人が夫婦を演じている。

ネタバレ注意です。

ケイトとジェフは連れ添って45年の夫婦で、仲良さげでおだやかに第二の人生を送っているように見える。しかしある日、ジェフに警察から昔付き合っていたカチャという女性の遺体が見つかったので確認に来て欲しいとういう内容の手紙が届くところから話が始まる。それがちょうど結婚45周年のパーティー前で当日までの1週間を描いている。その手紙が届いてからジェフはことあるごとにカチャの話をするようになる。全然関係なさそうな温暖化の話まで結びつけてくるようになり、妻として少しイライラしてしまう。ケイトは冷静な女性なので決して激怒したりしないのだけれどやっぱり気になってしまう。シャーロット・ランプリングは台詞に頼らずにその雰囲気を出していてさすがと思った。

その後も毎日さりげなくその女性の話は聞きたくないと態度で示すもジェフは心ここにあらずというような感じになっていく。そわそわして以前から予定していた職場のOB会にも行きたくなくなったり、結婚45周年パーティーのセッティングもほとんどケイト1人でやっていて女性の立場からするとちょっと気の毒に思ってしまった。亡くなった女性だしと思ってあまりに気にしないようにしていたら逆に気になって夫の持ち物を調べてしまったりする場面では心が苦しくなる。

この作品では音楽がテーマになっていると感じた。作品の一番最初にケイトが結婚45周年パーティーのダンス曲は何にするかとジェフに尋ねるシーンがあって、ジェフは何でもよさそうで、結局ケイトが選んだのは結婚式でも使ったプラターズの『煙が目にしみる』でその曲をどういう風に感じるかというところに結婚観の全てが出ていると思った。
プラターズだけではなくて他にも1950年代のいい曲が流れるので詳しくないけれど逆に新鮮で楽しめた。
ゆっくりと時間が流れるような作品だが男女関係は年代問わず複雑なのでずっとドキドキさせられた。

 

さざなみ(字幕版)

さざなみ(字幕版)