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マイ・ファニー・レディ

映画『マイ・ファニー・レディ(2014公開)』を観た。監督はピーター・ボクダノビッチでザ・ニューヨーク派というような脚本がとてもおもしろくて素敵な作品だった。主役はもちろんいるけれど脇役が分からないほどすごく個性的な演技をする俳優さんばかりだった。それにもかかわらずすごく話がまとまっていてよかった。

ネタバレ注意です。
舞台はNYで、主役のイザベラ(イモージェン・プーツ)はエスコート嬢(コールガール)の役だった。オーウェン・ウィルバー演じる舞台の演出家のアーノルドに指名される。グローという名前でその時は仕事をしていて、ホテルに呼ばれる。アーノルドは妻子持ちだが遊び好きでいつも滞在先でエスコート嬢を呼んでいる。そしてイザベラは恋愛にはどこかさめていて淡々と仕事をしていて脚本のせいかちょとかわいく見えてしまう。アーノルドはイザベラがホテルに到着するとまず外食に誘い馬車に乗せる。すぐにことに及ばなかったことでイザベラは好感を持ってしまう。結局、関係は持つのだけれど、その時に思いもよらない提案をされる。二度とこの仕事をしないで、好きな人とだけ寝ることを約束するなら、3万ドルを今すぐ渡すというのだ。信じられない話だけれど、イザベラは素直に感謝してお金を受け取り仕事から足を洗う。その時にアーノルドがかける魔法の言葉が『リスに胡桃を』でそれがちょっとかわいい。

そして、ずっとやってみたかった女優になるべくブロードウェイのオーディションを受ける。その役がたまたま娼婦の役でしかもオーディションに行くとアーノルドが現場で審査員をしている。そこからドタバタ劇が始まる。業界人は生活圏内がいかに狭いかをコミカルに描いて思わず笑ってしまう。まず、オーディションでセリフの読み合わせをしたのはアーノルドの妻で女優のデルタで、デルタと競演するのはデルタに前から好意をもつセスでセスはイザベラとアーノルドの関係を知る人物だったり、脚本家のジョシュの恋人がイザベラのセラピストだったり、セラピストの患者の中にイザベラの元顧客がいたりその他にも共通の知り合いが次々出てくる。そして宿泊するホテルやコールガールの派遣会社、行きつけのレストランもかぶったりしてハラハラするというよりハプニングがちょっと楽しくなってくる。プライベートでも仕事でも関係する者ばかりの舞台『ギリシャ的な夜』がどうなるのかも最後まで気になる。

ラブストーリーだと思ってみたら完全にコメディでちょっと拍子抜けしたけれどすごく笑えて満足した。ブロードウェイでは『ライオンキング』を観に行ったことがあるのだけれどまた行きたくなった。自分はやっぱりこういう話が好みかもしれない。