不思議な書店を描いた推理小説

『ペナンプラ氏の24時間書店/ロビン・スローン(創元推理文庫)』を読んだ。タイトルから本好きの為のほっこりする話かなと思って購入したらちょっと違っていた。書店の中だけの話ではなくサンフランシスコからNYへ移動したり、歴史を遡ったりといわゆる冒険小説だった。

ネタバレ注意です。

主人公のクレイ・ジャノンがペナンプラ氏の書店に就職してから話は始まる。クレイはもともと「ニューベーグル」という会社に勤めていて、マーケティング素材を作るデザイナーだったのだけれど不景気で失業してしまう。そこで仕事をさがしていたら貼り紙を見つける。それがこのペナンプラ氏の24時間書店の求人の貼り紙〈店員募集 夜勤 特殊な応募条件あり 諸手当厚遇〉でこれに応募して勤めはじめる。大体、書店で夜勤とか聞いたことはないので自分だったらちょっと何かありそうと思って応募は避けるかも。しかし、これは小説なのでクレイは就職してそして案の定、普通ではないことに気づき自分なりに謎を解き始める。

まず、ほとんどお客さんが訪れない。そして、前の方で本を販売しているのだけれど、奥の方は販売ではなくどうも貸し出しをしているようでそこを訪れる人は会員番号を持っている。高齢の人中心でキャラの濃い人ばかりだ。毎日、全然儲けがないのになぜか経営が成り立っている。店員に求められるのは訪れた人の特徴をできるだけこまかく日報に記録することだ。昔の日報や貸し出し用の本を店員は見てはいけないきまりになっている。天井が異常に高い店でお客さんに言われた本を梯子で命がけで取りに行くことが一番の仕事だったりする。読めば読むほどほど何かありそうな店なのだ。

そして、あまりにも暇で儲けがないのでペナンプラに内緒でマーケティング(グーグルのハイパーターゲティング広告プログラム)を始める。それも隣の店のWi-Fiに接続したりして、それが無謀でどきどきする。それがきっかけで、キャット・ポテンテとういう女の子が店に訪れて仲良くなる。それがグーグルの社員でのちにクレイの彼女になるので、一日の大半を過ごすグーグルの社内に招待されたりする場面があったりしてそれがリアルでどこまでが創られた話なのか分からなくなる。あまりにも謎が多くて謎解きをすることになるのだけれど、過去の日報を持ち出したり、見てはいけない貸し出し用の書籍を読んだりする場面は自分のことのように緊張した。キャットと謎の一部を解読してしまったことでペナンプラがいなくなってしまい、会員に聞き込みをしたり、NYへ飛んで探偵気分も味わえる。

そしてキャットが会社の最新の技術を使って不可能を可能にしてしまったりするのだけれど、それがかっこいいし勉強になる。あとは美術館で探し物をしたりするところもいかにも冒険小説とういう感じで夢がある。最新のもので昔の謎解きに挑戦して、予測できそうで最後まで謎は解けないのでギャップで体力を使うかもしれないが読み応えがあった。 

ペナンブラ氏の24時間書店

ペナンブラ氏の24時間書店