Pからのメッセージ〈flaske post fra P〉

映画『特捜部Q/Pからのメッセージ(2016公開)』を観た。デンマーク・ドイツ・スウェーデンノルウェー合作のスケールの大きい映画だ。原作は同名の大ヒット小説で特にこの『Pからのメッセージ/ユッシ・エーズラ・オールスン著』は北欧の文学賞『ガラスの鍵賞』を受賞しているようで、とてもおもしろかった。実は原作も映画も以前からすごく気になっていたけれど、観たのはこれが初めてだった。

ネタバレ注意です。
主役の刑事カール(ニコライ・リー・コス)のキャラクターがとても好きになった。仕事人間で勘が鋭いが、繊細で心に傷を負っていてふと涙を流すときがあったりと人間臭くてかっこいい。そして無神論者であるカールが今回の事件では宗教と深い関係があると思われる誘拐事件に挑む。作品の冒頭でカールが所属する特捜部Qにある仕事が持ち込まれて海に流れ着いたボトルの中に入った手紙の解読をすることになる。それを調べると血痕がいたるところに着いていて、監禁されていて助けを求める内容に見える。確かなのは差出人の『P』、子供であること8年ほど前に書かれたものであるぐらいでそこから失踪した子供を探すことになる。小学校である兄弟が行方不明になっていることをつきとめることができる。そんな矢先にこの事件にそっくりな事件が起きる。その行方不明になった場所がある宗教の〈神の弟子〉という教区に近くその信者の姉弟が誘拐されて、なぜか親は誘拐があったことを隠している。熱心なカールとその相棒のアサドの説得で犯人から連絡があり身代金の受渡を要求されていることを聞く。

この作品のおもしろいところは最初から犯人が分かっているのだけれど動機やらその人物像など不可思議でもやもやして見終わるまで謎が解けないところだ。アクションも見所のひとつで、身代金の受け渡しのシーンではありとあらゆる乗り物を使っていてスピード感があって迫力がある。そしてカール自身も犯人の標的になったりして緊張感がある。絶体絶命な場面で最初に関わった8年前の事件の証言〈連続的な音〉が事件解決の鍵になったりと最初から最後まで台詞のを聞き逃すことはできない。なぜカールが心に傷を負っているのかいまいち分からない部分もあったので、映画のシリーズの他二作『特捜部Q/檻の中の女』『特捜部Q/キジ殺し』も(書籍も)また観てみようと思う。