ある天文学者の恋文

映画『ある天文学者の恋文(2016公開)』を観た。イタリア映画で監督は『ニュー・シネマ・パラダイス』や『海の上のピアニスト』『鑑定士と顔のない依頼人』などたくさんの名作を手がけている名匠と呼ばれるジュゼッペ・トルナトーレだった。この作品もジュゼッペ監督らしい素敵な作品だった。出演はジェレミー・アイアンズオルガ・キュリレンコで二人は訳ありの恋人という役どころだった。ミステリーでありながら少しSFっぽく基本はラブストーリーで大好きなジャンルの話だった。

最近ジェレミー・アイアンズの作品をよく観ているような気がするけれど、今回の役はエドワード・フィーラム(エド)という著名な天文学者の役だった。そしてオルガが演じるのはエドの大学の教え子で6年付き合っている恋人のエイミーで、エイミーは学生とスタントマン(エドはカミカゼと呼んでいる)という二つの顔を持つ女性でそのギャップに驚いた。エドはロマンティストでサプライズ好きで仕事柄論理で愛を語ったり、遠距離恋愛と不倫関係の穴埋めにオルガの行動を先読みして動画や手紙、花束などを送って望みを叶えるのだけれどそれがスマートでかっこいい。口癖は「10人のエイミー、10人のエド」で関係は複雑だけどエドとエイミーは幸せそうだ。

ある日、大学の講義の最中にエドの訃報を聞く。3日前に亡くなったはずなのにメールや届け物は引き続き送ってこられてエイミーは動揺する。いてもたってもいられなくなりエドの家のあるエディンバラに行ったりしてエドが本当に亡くなったのか死因は何かなど調べはじめる。その間にもエドからの連絡が続き勉強やスタントの仕事に身が入らない。その様子がせつなくて苦しかった。

ひたすらエドについて謎解きをしてストーリーは進行するのだけれど、その背景がとても美しい。毎年エドの誕生日に二人で行っていた風景がきれいな島に滞在したり、エドの仕事柄最後に研究していた『超新星爆発の残骸のかに星雲』を望遠鏡で見たりする。謎解きなのであまり内容には触れたくないが、作品の最後には涙が止まらなかった。久しぶりにラブストーリーで感動した。