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TEH PROGRAM

映画『疑惑のチャンピオン/THE PROGRAM(2015公開)』を観た。イギリスの映画で監督はスティーブン・フリアーズ、主演はベン・フォスターで。かなり本人に似せた役作りをしていて他の登場人物も含めて見た目にびっくりした。
自転車競技ツールドフランスで7連覇したランス・アームストロングの実話を元にした映画だった。私は自転車に知識が無かったので、逆に新鮮に感じて面白かった。ツールドフランスが3週間もの間あることも知らなかったし、山道を走る風景もかっこいいし、チーム戦(ランスのチームは〈ブルートレイン〉と呼ばれている)ということや黄色のユニフォームを着れる人は選ばれた人ということも映画を観て初めて知った。その過酷なレースを黄色のユニフォームを着て7連覇したランスは2012年にタイトルを剥奪されている。イギリスのサンデータイムズ社の記者デイビッド・ウォルシュの原作を元にしているのでウォルシュももちろん登場人物として出てくるので、本人とジャーナリスト、関係者という目線で一人のヒーローの栄光から没落するまで描いている。

ネタバレ注意です。

ランスはアメリカでは強い選手だったが、世界ではまだまだといわれる選手だった。1994年ベルギーでの大会でそれを思い知らされる。大会自体に裏があってその大会で1~3位までが同じチームの選手でそのチームのスポーツ医をしていたのがドーピングのゴッドファーザーと言われるミケーレ・フェラーリ(ギヨーム・カネ)でそこで初めて二人が出会う。出場者は普通に不正を疑うけれど検査で陽性が出ない。このミケーレ・フェラーリは隠蔽のプロなのだ。その手口がすごくて倫理うんぬんより選手の体が心配になるようなやり方だった。ランスはミケーレに自分にプログラムしてほしいと願い出るがパワーと重量のバランスが悪く山に向いてないと言われ断られる。仕方なく自分でエポという危険な運動機能向上剤を使い始め1995年スイスで優勝する。その後25才でガンを発症。

再起不能と言われたがもともと負けず嫌いで努力家であるランスは病気を克服、自転車を再開する。チームやコーチ、スポンサー(ガン患者の為に慈善活動することを前提に探す)も自分で探して、そしてここが一番最悪な選択なのだけれど、スポーツ医にミケーレ・フェラーリを選んでしまう。バレなければ何をやってもいいみたいな適当な人だけれど、やってることはみんな知ってるので常に疑惑を持たれるしチーム全体にドーピングをさせてランス一人がいいとこ取りするので、少しずつほころびがではじめる。

勝ちにこだわるために周囲を貶めたり脅したりする一方で、ガン患者には嘘のない本当にやさしい目を向けたりする場面もあって、もともと持っているアスリートとしての才能が変な方向をに行ってしまった典型例のような気がしてすごくせつない気持ちになった。
ランスの元チームメイトで告発する人物の一人のフロイド・ランディスを演じたジェシー・プレモントがマット・デイモンにそっくりだったのとSCA保険業(ブリッジ)のボブ・ハーマンをダスティン・ホフマンが演じているので要注目だ。