マジカル・ガール

映画『マジカル・ガール(2016年公開)』を観た。スペイン映画だった。監督はカルロス・ベルムトでこの作品でサンセバスチャン国際映画祭でグランプリと監督賞を受賞している。私はこの監督は知らなかったのだけれど、園子温監督が絶賛している(ようです。)だけあってかなり個性的な作品で日本の文化が好きなのかな?と思わせるような内容だった。

登場人物は数えるぐらいしか出てこないのだけれど、誰が一体主役か分からないような作り方をしていて、中心というか話の発端になるのは重い白血病を患う少女でこの少女の為に父親が何かしてあげられることはないかと行動を起こすことで巡り巡って関わった人に悲劇が起きるというサスペンスだった。タイトルがかわいいので、悲劇といっても想像つくぐらいのものかと思っていたらそうでもない、想像以上のことが起こる。

ネタバレ注意です。

白血病の少女アリシアは日本のアニメ『魔法少女ユキコ』の大ファン、アニソンやコスプレが大好きでそれをこころのより所にしている。ある日、家で倒れる。父親のルイスはアリシアの余命が短いことを知り、何かしてあげられることはないか考える。そして3つの願いが書かれたアリシアの秘密のノートを見てしまう。一つ目は〈誰にでも変身できるようになりたい〉、二つ目は〈有名デザイナーがデザインした魔法少女ユキコのドレスの絵〉、三つ目は〈13歳になる〉と書かれている。その願いがかわいくて心がしめつけられた。ルイスはこの中から二つ目の願いを選択する。ネットで『魔法少女ユキコ』のドレスを検索するとなんと7000ユーロ、日本円で90万円というとんでもない金額なのだけれど買うことに決める。

お金持ちであればありえるのだけれど、ルイスは無職で生活にそもそも困っていて、父子家庭で相談相手がいないので思い詰めてしまい、少ない知り合いにお金を借りようとしたり、それが無理でついに宝石店に強盗に入ろうかと考えていた矢先に医師を夫に持つセレブなバルバラに出会い、関係を持ってしまう。そのバルバラも訳ありでかなり情緒不安定で夫婦関係があまりよくない。そんなバルバラの弱さにルイスがつけ込みなんと関係を持ったことを脅迫してドレス代をせしめようとする。夫に相談できないバルバラは自力でお金をつくろうとするのだけれど、この方法があまりというかかなりよろしくない。これこそ、負の連鎖!だと思ってしまった。最後になってあれ?っと気づくのだけれど、登場人物はみんな一応相談相手がいるのだけれど一番肝心な人には話をしないので、見終わってから謎に感じることがたくさん出てくると思うので、その辺は是非作品で観て推理して欲しい。いい意味で違和感たっぷりなので。

 

マジカル・ガール [Blu-ray]

マジカル・ガール [Blu-ray]