ローマに消えた男

映画『ローマに消えた男/自由に乾杯(2015年公開)』を観た。イタリア映画で監督はロベルト・アンドで脚本も手がけている。作品としては他に『そして、デブノーの森へ』『告解』などがある。この作品がとても気に入ってしまったのでまた観てみたい。

ネタバレ注意です。

イタリアのベテラン俳優トニ・セルビッロが主演で一人二役で双子の兄弟のエンリコ・オリベーリとジョバンニ・エルナーリを演じていた。これが本当に双子に見える。上手い。エンリコは大統領とも知己の仲の大物政治家だが、全国党大会で女性からのひどい野次を飛ばされる(この女性はチバッティという44歳の高校教師で反対派を煽動している)。その後、党のブログにも書き込みがあり、幹部までもが被害を受ける。ついにエンリコは精神的に限界を越えてしまい25年会っていなかった女性に会いにフランスに逃亡してしまう。エンリコの妻と側近のアンドレアは困り果てる。党が選挙を控え大事な時期である為エンリコが行方不明であることを隠しておけなくなる。そしてエンリコの双子の兄弟ジョバンニに替え玉になってもらうことにする。

このジョバンニがすごく素敵で野次どころか称賛されるようになる。もちろん見た目はそっくりなのでエンリコだと疑わない。もともとジョバンニは天才肌で、政治にも興味を持っていて政治家にぴったりなのだ。くわえて、音楽好きだったりダンスがうまかったりとにかくチャーミングで周囲の人を引きつけてしまう。一方、フランスに渡ったエンリコは仕事を忘れ、昔の恋人のダニエルの家で不思議な同居を始める。ダニエルは家庭があって夫も娘もいるのだけれど、みな好意的で家族の一員になったような気持ちを体験して小さな幸せを感じ、ダニエルが映画の仕事をしているので、現場を見学に行き、小道具の仕事の人のピンチヒッターをしたりして政治家以外の仕事に楽しさを感じてしまう。二人の揺れる気持ちが繊細にかつ美しく描かれていた。

トニ・セルビッロがタンゴを踊ったりピアノを弾くところも見所の一つだし、アンドレア役のバレリオ・マスタンドレア(『フォンターナ広場 イタリアの陰謀』etc)ダニエル役のバレリア・ブルーニ・テデスキ(『ふたりの5つの分かれ路』etc)もすごく印象に残った。すべてのシーンにこだわりがあるようで、見終わってからもいろいろ想像してしまった。やっぱりイタリア映画はおもしろいと感じる作品だと思う。

 

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