ベルとセバスチャン

映画『ベルとセバスチャン(2015年公開)』を観た。フランスの映画で監督はニコラス・バニエで過去の作品では『狩人と犬、最後の旅』がある。今回のこの『ベルとセバスチャン』でも賢い犬が出てくるのでかなり犬に縁がある監督であることが伺える。セシル・オーブリーの児童文学が原作で、日本では『名犬ジョリィ』としてアニメで放映されている作品らしい。名犬もののアニメーションは好きなので見ているはずなのだけれど冒険物の独自の作品として確立されているので、言われなければ『名犬ジョリィ』だとは気が付かないかもしれない。少年セバスチャンをフェリックス・ポシェくんが演じている。初めてみる役者さんだったけれど(他の役者さんも全然知らない)、子役ながらしっかりとした演技をしていた。

ネタバレ注意です。

舞台は1945年のサンマルタンでセバスチャンは羊飼いのセザールと一緒に暮らしている。セザールはセバスチャンの育ての親で実の母親は亡くなっていて父親とは生まれてから一度も会ったことがない。そしてセザールの姪アンジェリーナは戦争で軍のレジスタントとして働いていていて2年ほど家にいない。ちょっと複雑な家族だけれど犬のベルが一番の友達でいつも行動をともにしている。このベルがジョリィと同様にピレネー犬でまっ白でふわふわで賢くてかわいい。

戦地からアンジェリーナが帰ってくる日にセザールとセバスチャンは家で楽しみに待っているとアンジェリーナが乗った飛行機が墜落して、墜落した山は山火事になり飛行機も全滅だという連絡を受ける。セザールもセバスチャンも信じられず、自分たちで捜索することに決める。そして空からでないと充分な捜索ができないので飛行機の操縦士に頼むことにする。そして思いついた人物は『汚い奴』と『妊婦を雪山で歩かせるひどい奴』と呼ばれる操縦士のピエールで実はセバスチャンの父親だったりする。ピエールはセバスチャンが自分の子供であることに途中まで気づかないのでその親子のやり取りがせつない。

1945年9月という時代背景も話に微妙に絡んでいて世界史が好きな人はビビっとくるかも知れない。アンジェリーナの飛行機が墜落した場所がイタリアとの国境近郊でセバスチャンは偶然イタリア人のガブリエッレを助けてわだかまりのある国際問題を越えて友達になったりする場面はちょっと感動する。ピエールが優秀な操縦士なので飛行機が好きな人は楽しめると思うし、セバスチャンの故郷や山中での捜索がメインの話なのでとても自然が雄大で美しい。児童文学が原作とはいえ大人も充分楽しめる内容だと思う。

 

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