野のなななのか

映画『野のなななのか(2014年公開)』を観た。大林宣彦さんが監督されている。大林監督といえば有名すぎて逆に説明が難しいけれど、昔の作品では『転校生』『ねらわれた学園』『時をかける少女』『天国に一番近い島』、あとは日本アカデミー賞で監督賞を受賞した『青春でんでけでけでけ』などが思い浮かぶ。他にも名作がたくさんある。自分が観たものの中ではファンタジックな作品が多かったように思う。この作品もそんな印象を受けた。出演者は品川透さん、、村田雄治さん、重松豊さんなどベテラン俳優さんや常盤貴子さん、安達祐実さんなど人気俳優さんなど幅広いキャスティングだった。
この作品は大林さんが校長を勤める芦別映画学校20周年記念作品で舞台は北海道芦別市だった。芦別の自然の美しさや歴史を大林監督らしいファンタジックな感覚で描いていた。

ネタバレ注意です。

鈴木光男(92歳)が2013年3月8日に自宅で倒れて3日後に亡くなりそれから「なななのか(四十九日)」を迎えるまでを描いていた。
1 ひとつの死から/2 それぞれの帰郷/3 通夜の客/4 火葬場にて/5続く朝/6 古里の物語/7同行二人/8この家の秘密/9 初なのか談義/10 夏の日の歌/11 人はさまよう/12 この家を出る/13 過去1945年夏/14そして現在 
の14章で構成されていた。
お通夜や火葬場などの場面では身内が亡くなった時のなんともいえない感じを思い出した。
光男の家はちょっと変わっていて亡くなる間際は「星降る文化堂」という博物館を自宅で経営していたが元は鈴木医院で光男は医師だった。自宅で倒れたあと運び込まれた病院に普段滅多に会わない親戚が集まってくる。会話でなんとなく家族構成が分かってくる。子供は冬樹と春彦、孫はカンナに秋人、ひ孫のかさね、兄弟は妹の英子がいる。そしてもう一人なぞの女性が病室に現れる。途中までだれも彼女の名前を呼ばない。信子というその女性を常盤貴子さんが演じている。話がすすむにつれて、光男と孫のカンナと秋人の一緒に暮らしていた女性ということが分かる。信子の愛読書が中原中也の詩集なので詩がよく引用されていてそれが作品のアクセントになっていた(「汚れつちまった悲しみに」「山羊の歌」「羊の歌/祈り」など)。

芦別の歴史にも触れていて光男が体験した戦争の話をはじめ炭坑で栄えた時代もあったけれど今はカナディアンワールドなど観光に移行したことなど知らないことが多かった。最近観た同じ北海道を舞台にした映画と人の生き死にがテーマになっているところなど重なるところ多かったのに、まったく雰囲気が違っていて邦画のおもしろさを改めて感じることができた。

 

野のなななのか [DVD]

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