僕と世界の方程式

映画『僕と世界の方程式(2017年公開)』を観た。イギリスの映画で監督はモーガン・マシューズで製作は『リトル・ダンサー』のディビット・M・トンプソンだった。主演は『ミスペレグリンと奇妙なこどもたち』のエイサー・バターフィールドだった。高校生の話なので彼同様に他にも若手の俳優さんが多く出演している。他にもエイサーが演じたネイサンの母親を『パディントン』に出演していたサリー・ホーキンスが演じている。優しい母親役が似合う俳優さんだ。

ネタバレ注意です。

実話を元にした作品で、高校生のネイサンが数学オリンピックに挑む話だった。数学オリンピックにでる人といえば、自分の中ではとにかく天才で何もかも秀でている人というイメージがあった。この作品の主人公ネイサンは数学では天才と呼ばれる人だけれど、小さいときに自閉症スペクトラムと診断される。興味を持つものが他の子と違って、図形や数字にしか興味がなくおもちゃでは遊ばないし、こだわりが強くて食べ物も偏食で、そして何よりコミュニケーションが苦手だ。両親はネイサンのことを他の人と違うことは特別なことだと言って愛情たっぷりに育てる。とくに父親との絆が強くて一番の理解者だったが、亡くなってしまい母子家庭になる。それからは母親のジュリーが父親の分まで頑張って子育てする。

9歳の時には小学校の教育ではネイサンの才能に合わせた授業が受けられないので高校へ行って特別に指導してもらうことにする。そこで、元数学オリンピック出場者のマーティンに出会い、高校生になるまで数学オリンピックに出場することだけを目標に勉強してきた。賢すぎることとコミュニケーションが苦手なことが原因でいじめのようなこともあり大好きな数学だけが生き甲斐だったからだ。ネイサンの才能を見抜く数学の先生のマーティン・ハンフリーズを演じたのはレイフ・スポールという俳優さんで『プロメテウス』に出たりしているのだけれどこの人の演技がまた光っていた。ハンフリーズが訳あって叶えられなかった夢をネイサンの中に見たり、自分自身も戦っている姿をシーンは少な目だったけれどすごくうまく表現していた。
ネイサンは英国数学オリンピック出場者の選抜チームに選ばれてそこで自分と同じ様なまたそれ以上の天才に出会い、自分がそれほど変わっている訳ではないことや今まで気づかなかった数学以外に大切だと感じることを見つける話だった。

リトル・ダンサー』が好きすぎてすぐ比べてしまうのだけれど、この作品も両親の愛情を美しくかつユーモアたっぷりに描いているので笑ってしまうと同時に涙が出てしまって気持ちがごちゃごちゃした。そういう気持ちにさせる作品がやっぱり好きだなと思った。ネイサンと同じようにコミュニケーションが苦手と感じる人は共感できることが多いと思う。高校生の話なので学生時代のほろ苦い感情も思い出せるような素敵な作品だ。

 

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