ジュリエッタ

映画『ジュリエッタ(2016年公開)』を観た。スペインの映画で監督はペドロ・アルモドロで過去の作品では『オール・アバウト・マイ・マザー』など作品があるスペインの有名監督だ。

ネタバレ注意です。

舞台はマドリードでタイトルの〈ジュリエッタ〉という女性の半生を描いた作品だった。街で娘の友人に偶然声をかけられたことから自分の今までを文章にし始める。冒頭では恋人と思われる男性とポルトガルに引っ越す予定だったのを急にやめ、昔住んでいたアパートに戻る。ここまでで理由は分からないけれど娘と離ればなれになっていてそして娘を待つためにここにいるのだなと推測できる。そしてそこで会えるかどうか分からない娘宛の文章だということがだんだん分かってくる。

娘の父親つまり夫との出会いまで時間がさかのぼり、ミステリーのようで実は半分ラブストーリーだった。ただすごく現実的で情熱的な場面ばかりでなかった。夫になるジョアンとは列車の中で出会うのだけれど怖いことがあってたまたまそこにジョアンがいて『吊り橋効果』のように好意を持ったり、仕事面で不安定になっているときにジョアンから手紙が届いたりして「これは運命的!」と手放しで思えなかったので半分ラブストーリーと感じたのかもしれない。そして、結婚した後も里帰りして家庭の事情で父親との関係が悪くなったり、ジュリエッタの職場復帰やジョアンとの共通の女性の友人のことで家庭がごたごたしたりとにかく現実的だった。

途中までは娘のアンティアとは良好な関係だったのになぜ現在は離ればなれでジュリエッタが何かを引きずりなぜ前に進めないかを観客が場面をつなぎ合わせて推理していくのだけれど、登場人物の心の中の描写がすごく繊細で考えこんでしまった。『オール・アバウト・マイ・マザー』でも息子を失った母親を描いていたけれどペドロ監督はすごくこういった作品を撮るのがうまいと思った。今回の作品では離ればなれになった娘がいつの間にか家庭をもち自分と同じ立場の母親になっていたということを人づてに聞いてしまった母親の元気にしていてよかったという気持ちと会いたいのに会えない気持ちを描いていてせつなかった。自分の家族についてもう一度考えたくなるような作品だと思う。

 

ジュリエッタ(字幕版)