MICROBE ET GASOIL

映画『グッバイ,サマー/Microbe et Gasoil(2016年公開)』を観た。フランス映画で監督はミシェル・ゴンドリーで過去の作品では『エターナル・サンシャイン』を観たことがある。出演者では『アメリ』のオドレイ・トトゥが出ていたけれど、今回の役が主役の男の子の母親役であまりにも見た目から役作りしていて最初気づかなかった。他の出演者はすごく若手の俳優さんが多く初めて見る人ばかりだった。

ネタバレ注意です。

舞台はパリで中学生のダニエルが一夏で成長する青春群像を描いた作品だった。監督の自叙伝のようだ。ダニエルは体が小さく女の子のような見た目であることや無個性であると勝手に思いこんでいてコンプレックスだらけでおまけに思春期にありがちだけど母親の愛が深すぎて重いと感じている。学校でも気の合う男子があまりいずローラという女の子と一緒にいてひそかに好意を持っている。無個性だと感じているわりには絵がうまかったりものの見方が他と変わっているような印象を受けた。

そこにある日突然、テオという転校生がやってきて学校では隣の席になる。テオは体も大きく男らしい感じで人を楽しませるのが上手くてかといって誰とでも仲良くするわけでなく自分を持っていて個性的な人間でダニエルは自分と対照的と感じて興味をもつ。このテオを演じたテオフィル・パケくんがすごく素敵な演技をするので目が行ってしまう。ものまねのシーンがかわいい。この2人は家庭環境も全然ちがう。ダニエルは兄弟がいてたまに喧嘩もするけれどうまくいっている。ただ母親が心配性過ぎて少しうとましさを感じている。逆にテオの家はあまり裕福ではなく兄とは離ればなれで家事から家業まで手伝っている。お互いをお互いの家に招く度に違いを感じるけれど二人は認め合って仲良しだ。テオは機械いじりが得意でダニエルは芸術面で優れいるので二人のアイデアを出し合って車を作ってフランス各地を旅することに決めるのだけれど、この車がなんともいえずいい味があってちょっと笑ってしまった。最初、車両の許可が取れなかったので車に見えない車にするというダニエルのデザインの発想がすごくいい。ここまでくると、どこが無個性なのかぜんぜん分からなくる。旅はパリ→ベルサイユ→マムール→モルヴァルなどあまり知らないところ、みる限り田舎のようなところなのでパリばかりの仏映画より新鮮だった。

少年二人旅だからいろんな災難が起こったりして冒険物としてもおもしろい。私も友人と二人旅をしたのはこのぐらいの年頃だったのでそれを思い出した。私の場合は都会へしかもビョークのライブに行っただけなのでとくに何事もなかったけれど。学生の頃に急に新学期に特に夏休み後に大人っぽくなって何があったのか噂される人よくいたけれど、作品の最後にはダニエルが冒頭のダニエルと全くの別人のように変わるところが一番の見所だと思う。

 

グッバイ、サマー [DVD]

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