森山中教習所

映画『森山中教習所(2016年公開)』を観た。監督は豊島圭介さんで、他の作品では先日観た『ヒーローマニア』がある。この作品でますますファンになった。原作は真造圭伍さんの同名コミックで豊島監督はコミックを実写にするのがすごく上手くて原作を知らない人を読みたくさせる。出演は野村周平さん、賀来賢人さん、麻生久美子さん、ダンカンさん、光石研さんなど個性が強い人が多かったけれど脚本の個性が強すぎてとても自然だった。

ネタバレ注意です。

野村さんが演じたのはどこにでもいそうな大学生の清高で賀来賢人さんは高校の同級生轟木でひょんなことから再会して、たまたま車の免許を取りたい時期が重なって同じ教習所に通い始める。それが『森山中教習所』で名前の通り森の中にある。廃校になった学校の跡地のような外観で轟木の上司のコネで運営しているのでそこに決めるがいわゆる無認定の教習所で、大丈夫なのかと思うようなゆるい教習所でちょっと笑ってしまう。学科をダンカンさんが演じる校長先生(たぶん)が担当していておもしろい。車もオープンカーみたいな教習車でかなり変わっている。運転の方の教官を麻生久美子さんが演じていて、こんなきれいでそんなにおこったりしない人から教わるのだったら男子大学生だったら通う励みになるかもしれない。そして家族経営なのでアットホームでちょっと楽しそう。

仕事の為に通っていてわけありで暗い轟木も教習所にいる間だけは本当の自分でいられるような気がして清高や教習所の人と心を通わせたり、何も考えてなさそうで人に頼りがちな清高も実は家庭内にトラブルがあって教習所が心のよりどころになっていたりする。これが二人の共通点だけれど、相違点もあって、それが免許を取ることによって清高は自由になり、轟木は自由を失うところで最後の卒業検定のシーンは切なかった。

自分も清高と同じく学生時代、大学の2回生の夏休みに入るか入らないかぐらいに教習所に通った覚えがあるけれど、まず合格率とか事故率を気にして選んだのでこの『森山中教習所』とは真逆の学校だったように思う。ただただ厳しかった。命を守る為の教習なのでそれは仕方がないような気がする。そこで仲良くなった人(同じ大学の野球部だった人とめちゃくちゃヤンキーな年下の女の子)には二度と会わないけれど、どうしてるのかなとふと思い出した。 

森山中教習所

森山中教習所