ぼくのおじさん

映画『ぼくのおじさん(2016年公開)』を観た。監督は山下敦弘さんで過去の作品では『マイ・バックページ』『モテキ』を観たことがある。原作は北杜夫さんの同名の児童文学小説だ。ご自身をモデルにした小説らしい。松田龍平さん、真木よう子さん、寺島しのぶさん、戸次重幸さん、宮藤官九郎さんなどが出演しているが、子役の大西利空くんがストーリーテラーでそれが新鮮でおもしろかった。

ネタバレ注意です。

舞台は東京で途中からハワイの話になってすごく意外だった。大西くんが演じたのは小学生の雪男で学校から宿題を出される。それが家族についての作文でごく普通の家庭なので内容に困ってしまう。一番ネタにしやすい人を考えたら家に居候しているちょっと変わった父親の弟の〈おじさん〉だと気づき観察し作文を書く。その〈おじさん〉を松田龍平さんが演じている。松田さんといえばクールなイメージが強くてそのイメージを変えないでコメディを演じることができるところがすごいのだけれど、この役もまさにそんな感じで声にならない声で笑ってしまった。
雪男から見て〈おじさん〉がなぜ変わっているかというと、仕事は大学の哲学の講師をしていてどこかインテリだけれど非常勤講師で週に1コマ90分しか教えていないので、いつも金欠で、甥の雪男を盾に母親からお小遣いをせびったりして、ちょっとズルいところがあるが、それを全員から見抜かれていてなんかひいてしまうけれど憎めなくて逆に心配で気になってしまう複雑な人物だからだ。

ある日、親戚の叔母さんからおじさんが見合いの話があってそこで一目惚れしてしまう。それが日系アメリカ人のエリーでそのエリーを真木よう子さんが演じている。あったその日に故郷のハワイに訳あって帰ると言われショックをうけてその反動でお金もないのに見栄を張って遊びに行くと言ってしまい、おじさんなりに行く方法を考えて実行するシーンが一番のおもしろいので必見だ。

映画では突然舞台が海外に変わり、オアフ島、ハワイ島の景色も楽しめる。真木よう子さんハワイっぽいファッションがすごく似合っていてかわいい。旅行に行きたくなるかもしれない。原作者の北杜夫さんは小説家でエッセイストで精神科医で医学博士という多才な才能の持ち主でとてもこの〈おじさん〉と結びつかなかったけれど、子供目線で描くとこうなるのかと正直驚いたし勉強になった(反面教師的に)。そういう意味で大人から子供まで楽しめると思う。

 

ぼくのおじさん [DVD]

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