baby milk action

映画『汚れたミルク あるセールスマンの告発(2017年公開)』を観た。監督はダニス・タノビッチで過去の作品では『鉄くず拾いの物語』『美しき運命の傷痕』などがあるようだけれど私はこの作品が初めてだった。出演者で私が知っている人はいなかった。実話を元にした作品なのでリアリティがあってよかった。

ネタバレ注意です。

舞台は1994年のパキスタンだった。この作品の主役とも言えるアヤンがある告発をして数奇な人生を歩むことになった話だった。アヤンはパキスタンの製薬会社の営業マンで家族の大黒柱だったが当時病院や医師から求められていたのは多国籍企業の薬品で正直売り上げがよくなかった。妻の勧めで大手企業、最初にライバルだと思っていた多国籍企業の営業職に応募して見事に内定をもらい働き始める。決め手になったのは今までの仕事で培った人脈だった。それからは大手というネームバリューと過剰なまでの接待でさらに人脈を広げてその中でもファイズ医師とは仕事以上の関係になる。主な仕事は医師が処方する栄養価が高い乳児用の粉ミルクの営業だった。仕事は軌道にのりプライベートでは子供ができ順風満帆だったが、地元を離れカラチというところから2年ぶりに帰ってきたばかりのファイズ医師からとんでもないことを告げられる。アヤンが今まで売ってきた粉ミルクのせいで乳幼児が亡くなっているというおそろしい内容で真面目なアヤンはショックを受ける。

粉ミルクで乳幼児に影響が出た事例は今までもけっこう聞いたことがある。食べ物の安全性が高い日本でさえも昔問題になったことがあったと聞く。この作品は粉ミルク自体には問題がないのだけれど、粉ミルクをつくるときの水が一番の問題であることが見聞きしている事例と違うところだった。生活状態が良くなく水道の整備が遅れている地域の汚染された水で粉を溶く。貧困であればあるほどその水で薄めて使い乳幼児が下痢を起こして亡くなっていた。本来であればその地域には適さない商品ということで医師なり会社なりが止めないといけないのだけれどそれをせず、さらに強い癒着があって明るみにでていなかった。アヤンは知らずに売ってしまったことで苦しみ会社をすぐに辞めるがそこからが本当の戦いで世界規模の大企業を敵にまわしてしまい命さえねらわれるようになる。
この作品の面白さは1994年あたりの出来事がなぜ今になって映像化されたのかということを映像化しているところだ。当時の登場人物の心情や立場が分かりやすかった。私は作品があまりに衝撃的でアヤンが接待で配っていたチョコが食べにくくなってしまった。

 

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