The Legend of Barney Thomson

『バーニー・トムソンの殺人日記(2017年公開)』を観た。カナダ・イギリス・アメリカ合作の映画だった。監督はロバート・カーライルで過去の作品では『トレインスポッティング』『フル・モンティ』など有名な作品がある。この作品ではそのロバート・カーライルがタイトルになっている主役のバーニー・トムソンを演じる。

ネタバレ注意です。

舞台はスコットランドグラスゴーだった。バーニーはそこの理容店で働く理容師だった。50歳で独身。父親はいないが母親がいる。理容室というところに行ったことがないのでよく分からないが人気商売で無口なバーニーはあまり指名がなくどんどん奥の席にやられていく。会社員だとこういった立場になることを窓際にやられるとかいうけれど、この店では逆で窓際で外から見える席で仕事をさせてもらえることがいいとされていて少し不思議だった。席を奥にやられたバーニーは仕事にやる気がもてず居眠り、気に入らない客とケンカをしてしまいついに店を辞めて欲しいと言われ争いになりもみ合いの末上司が事故で亡くなってしまう。そこで自首すればいいのだけれど隠してしまったことで、その町で同じ時期に発生していた6件の猟奇的な事件との関係性が疑われてしまいどんどん深みにはまっていく話だった。

邦題の『バーニー・トムソンの殺人日記』を見るかぎりではとんでもない殺人鬼が出てきて楽しむように事件を起こしてそれを日記にでも書いているのかと思ったのだけれど、全然違った。バーニーはどちらかというと真面目でおとなしい。強いていえば環境と運が悪い。悪く考えがちで疑われるのではと深読みすることで負の連鎖が起きるパターンの不器用な男だった。ブラックコメディなので殺人のシーンはちょっとおもしろく描かれていた。笑ってはいけないシーンでつい笑ってしまう。そういう風に創ってあるのだと思う。周囲の人がバーニーの弱みにつけ込むシーンの方が心理的によっぽど怖い。だれが一体一番悪人なのかということをブラックユーモアたっぷりに描いている作品だった。