ブルーに生まれついて

映画『ブルーに生まれついて(2016年公開)』を観た。アメリカ・カナダ・イギリス合作の映画だった。監督はカナダ出身のロバート・バドローで私はこの作品が初めてだった。主演はイーサン・ホークだった。ジャズトランペッターとして主に1950年代に活躍したチェット・ベイカーの半生を描いた作品でイーサンがチェット・ベイカーを演じている。ジャズコンサートをめぐっていろんな報道があったりしてよくジャズについて耳にすることが最近あったけれど正直このジャンルの曲にはうとい。この作品で挿入されている曲がとんでもなくかっこよくて興味を持った。

ネタバレ注意です。

舞台はチェット・ベイカーが一番活躍した1950年代のNYではなかった。1960年代で冒頭のシーンではイタリアの刑務所のようなところにいて少し驚くかもしれない。薬物中毒で刑務所を出たり入ったり、家庭も崩壊して2回の離婚歴がある。そこに伝記映画の出演の話が出て映画に出演するも撮影途中で暴漢に襲われトランペット生命にかかわる大けがをしてしまいそこから努力を重ね這い上がろうとする姿を描いていた。最近観た『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』でもミュージシャンが薬物中毒に陥り立ち直るきっかけを得る話だったけれど、この『ブルーに生まれついて』では作中の自伝的映画で知り合った女優さんのジェーンがいつもそばにいて励ます。この感じは『ラ・ラ・ランド』の組み合わせに似ているけれどチェット・ベイカーは元々天才で才能を失ってからジェーンが支える。問題児だけれどすごくモテる。こういう役はイーサンがぴったりだとあらためて思った。

歌とダンスのミュージカルではなく、トランペットと演奏途中イーサンが歌う哀愁漂う歌の直球の歌詞で表現しているところが明るくはないけれどすごくかっこいい。『ラ・ラ・ランド』が光ならとこの作品は陰ようだと思った。中でもイーサンが歌っている『マイ・ファニー・バレンタイン』がすごく良かった。この歌と対照的な曲を作品のラストで歌う。この2つの曲を聞き比べるとすごく切ない。泣いてしまうかもしれない。