わたしは、ダニエル・ブレイク

映画『わたしは、ダニエル・ブレイク(2017年公開)』を観た。イギリス・フランス・ベルギーの合作映画だった。監督はケン・ローチで過去の作品では『麦の穂をゆらす風』などがある。

ネタバレ注意です。

舞台はイギリスのニューカッスルという町だった。主役はタイトルにもなっている大工のダニエル・ブレイクで、わけあって大工の仕事はしていない。心臓を患っており担当の医師から仕事を止められているからだ。日本で言うところの生活保護の申請をするが申請のための健康診断をするのは国からの委託業者の医療専門家で担当医師とは異なる判断をされるところから話は始まる。医療専門家が言うには働けるので生活保護は受けられないので別の機関、日本でいうところの職業安定所で失業手当の申請をしてと言われ、たらい回しのような立場になってしまう。失業手当の手続きもシステム化されていて高齢で大工一筋できたダニエルには簡単ではなくて苦労する。自分も仕事を退職した時に手続きをしたことがあるけれど人によって待機期間が違っていたりして不公平と感じることはあったし、なかなか手続きをして受給まで講座を受けたり決められた求職活動をするのは大変だったような記憶がある。特に受給日の面談は時間厳守で遅れると何週間か繰り越したりするので変な緊張感があったけれど、この作品でみるかぎりイギリスでも同じようだった。

ダニエルが面談を待っているときに受給日に遅れてきた女性がいて揉めているのを見かけて思わず声をかける。ケイティというその女性はロンドンから越してきたばかりでまだ若いが二人子供がいて母子家庭だった。ダニエルは自分も大変な時なのに家のエアコンをなおしてあげたりエアコン代をかしてあげたりして心を通わせる。最初はこのダニエルはただ性格的におせっかいで口うるさいのかなと感じさせる場面があってなぜここまで親切にするのか疑問に思ったりもした。自分に余裕がなければなかなかできない。でも最後まで観てみると何となく分かるのだけれどダニエルは自分だけを信じていてシビアだけれど他にあまり期待をしていないのかなと思った。そんな人生悪いことばかりではないよと言いたいけれどそれを証明するような出来事が起こり何ともいえないような気持ちになった。昨日も光と陰について考えることがあったけれどこの作品でも考えさせられた。