月に行く舟

『月に行く舟』を観た。2014年の秋に放送されたスペシャルドラマだ。ドラマでもスペシャルドラマはうっかり見逃すことが多い。この作品もどうらやら見逃していたらしい。脚本は北川悦吏子さんだった。今まで観た好きなドラマでも北川さんが書いた脚本の作品が多い。大人の恋愛や恋愛の壁を描いた作品が多い。『オレンジデイズ』や『ビューティフルライフ』や『愛しているといってくれ』などは脚本にはまりすぎて放送の翌日は台詞のモノマネをしていたような気がする。なつかしい。

ネタバレ注意です。

この作品も例外なく素敵だった。好きな作品と少し近いところもあった。出演は和久井映見さん、谷原章介さん、橋爪功さん、栗原小巻さんなどだった。舞台は岐阜県美濃市のようだった。古い町並みが趣があってすごくきれいだった。谷原さんが演じたのは東京の出版社の編集長の篠原涼太だった。有名作家の佐々木慶太郎が美濃にいるために原稿を預かりに来ていた。佐々木慶太郎を橋爪功さんが演じていた。奥さん役の栗原小巻さんがちょっと不機嫌だったりして『家族はつらいよ』を観ているような錯覚をしてしまった。その仕事を終えて帰りの列車に乗ろうと駅に行くときれいな女性がいて話しかける。その女性が和久井映見さんが演じる水沢理生だった。

駅というところはそれぞれ行き先があって必ず別れる場所なのであまり話しかけたりはしないような気がする。話しても挨拶程度になるのだけれど、篠原も最初はそんな感じだったが、忘れた紙袋を親切に届けてくれた理生に惹かれるものがあって、列車に乗り遅れたついでに数時間行動をともにすることになる。それがまるで初デートでもしているような恋人のような雰囲気で北川さんらしいなと思った。最初にお茶に行ったカフェはおしゃれだしその後名所の森にも行く。アクシデントさえも二人の距離を近くする。たった1日の数時間限定の恋を描いていて、『ローマの休日』(厳密には岐阜で勤務中)をちょっと思い出した。和久井映見さんが年齢を重ねても清楚で可憐な感じがするのですごく役が似合っていた。タイトルの『月に行く舟』の意味は最後のシーンまで明かされない。そこのやりとりがロマンティックでかっこよくて昔だったらさっそくモノマネしていたかもしれない。